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どうぞゆっくりしていってください

FLOWER! 第20話 ~初めて~

 

 

こーんにーちわ(∩´∀`)∩

 

更新遅くてすみません…てか、こんない必死にかいても読んでくれるのは数人て…

つらい!!(´;ω;`)

 

ということでわたくし、pixivをはじめました(^u^)

まあ文才のない私がかいたところで読者の数なんかきっと片手で数えられるくらいでしょうけど…

 

まあ、なにはともあれ、FLOWERやっていきましょう!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「FLOWER! 第20話 ~初めて~」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いや~!ライたんもミルたんもお疲れ様だにょー!」

「初めての実技試験はどうやった?」

 

 

無事一学期の期末試験が終わり、生徒達は下校をはじめた。

帰り支度をしながら、例の4人は話し合っていた。

 

「うん!緊張したし、失敗もしちゃったけど、すごく楽しかったよ!」

 

ネストの問いかけにミルは笑顔で答える。

しかしライトは何も答えず、しばらくうつむいていた。

 

「ライたん?どうしたんだにょ?もしかして、落ち込んでるのかにょ…?」

「へ?あ、ああ悪い、なんだって…?」

 

カラーがライトの顔の前でパタパタと手を振ると、やっとライトが反応した。

 

「なんや?負けて落ち込んでるちうより、何ぞ考え込んでる表情やね。」

 

ネストが怪訝そうな顔をする。

ライトは「ああ、ちょっとな…」とまごついた返答をした。

そこでミルは、「あ」と声をだした。

 

 

「もしかして、柴葉君のこと…?」

「え!?なんでわかった?」

「あ、やっぱり…。あの試験が終わってから、なんかライトだけじゃなくて、柴葉くんも浮かない顔してたから、試合中になにかあったんじゃないかなって。」

「…そ…っか。」

「な、なになに、何の話?」

 

状況が呑み込めていないカラーとネストに、ライトは試合中起きたことを話した。

 

 

 

「柴葉君が、『さみしそうだった』…ねえ。」

「リクたんはあんまり表情かわらないけど…対人関係で、なにかつらい思いをしたことがあったのかもしれないにょ…」

「やっぱそう思うよな…。なんかそれが気になっちまって…」

 

はあとため息をつきどうしたものかといった表情のライトを見て、ネストがふんと鼻を鳴らす。

 

「そんなん、直接本人に聞けばええやん。うだうだ考えるなや。」

「は!?」

 

思いもよらない言葉に驚くライト。

 

「柴葉の奴の鞄、まだ残ってんねん。どこぞにいるんやろ。早く探して話でもなんでもしてこい。」

「え、えええ…お前、ほんと怖いもの知らずだな!」

「やかましい!!さっさと行かんかボケ!」

 

ネストに怒られ、ほとんど追い出される形で教室を後にした。

 

 

「はあ…しょうがない。確かにずーっと気にし続けるよりはさっさと話して解決したほうがいいか。

さて…あいつ、一体どこにいるんだよ…。」

 

 まずはリクを探すことから開始した。

 

 

 

 

 

_5分後_

 

 

 

 

 

「あ…いた。」

 

 

 

「定番かな」と考えた屋上の扉を開けると、早速リクを見つけた。

扉の開く小さな音は、ヘッドフォンを付けたうえ少し離れたところにいるリクには聞こえなかったようで、ぼんやりと空を眺め続けている。

 

ライトは一瞬戸惑ったが、ふうーと長い溜息をついて、「よし」と小さく決意した。

 

 

 

「おい…柴葉。」

 

 

割と大きな声で呼んだためか、リクはすぐに気づいた。

吃驚したように目を見開く。

 

 

「なッ…にしにきたんだよ…。もうみんな帰ったろ。」

「それはこっちのセリフだ。お前こそこんなとこで何たそがれてんだよ。」

「別にたそがれてねえよ!」

「…勝ったのはお前で、敗者が目の前にいるのに、嫌味の一つも言わないって…お前らしくねえじゃん。」

「お前俺をなんだと思ってんだよ…」

「違うのか?」

「そこまで下衆じゃねえよ。なんだよ、嫌味言ってほしいのか?…ドMだな…」

「はッ!?ばか、変な誤解してんじゃねえよ!」

「…ていうか、ほんとに何しに来たんだよ。もしかして、俺を探しに来たのか?」

 

リクが笑いながら「はは、冗談だよ」という前にライトが、「実は、そうなんだよ」というと、リクは驚愕の表情になった。

 

 「は…まじかよ、なんでまた…」

「お前と、話したくて…」

 

するとリクは何かを察したようで、眉間にしわを寄せて立ち上がった。

 

「お、おい!どこいくんだよ!!」

「俺は何も話すことはねえよ…」

「待てよ!!」

 

リクはすたすたと扉のほうへ歩いて行ってしまった。

ライトは、気をつかったのに一向に対話する気のないリクにイラつき、

 

「この野郎…!おいわかったぞ!お前、人と関わるのが怖えんだろ!この臆病者が!」

 

と怒鳴った。

するとリクは立ち止まり、勢いよく振り返った。

 

 

「お前にっ…なにがわかんだよ!!」

 

ライトは、リクのここまで大きな声をきいたのは初めてだった。

リクはぎりぎりと歯を鳴らし、ライトを睨みつけている。

 

「ただ少し人と関わるのが苦手で…だから自分の好きなことをやってただけなのに…。なんでっ…なんで暴言吐かれなきゃいけねえんだよ!!俺がいつお前らに迷惑かけたよ!?パソコンいじってりゃ根暗呼ばわり…、人の輪に入らなきゃ不気味がる…!自分と違う人種だって存在するって、なんで理解できない!?だから頭の悪い人間は嫌いなんだよ!!ちょっとは人の気持ち考えろよ!!それで、そういう奴らに限って、自分が害を被ったら憤慨して…!

 

…なんでだよ…なんなんだよ…。

 

 

…1人でいることは、そんなにいけない事なのかよ…。」

 

 

 

 

リクは怒鳴り、顔をしかめ、しゃがみこんだ。

 

 

屋上のコンクリートの床に、水滴が落ちる。

 

雨ではない。

その水滴は、リクの目から滴り落ちているものだ。

 

 

 

 

日の少し傾いた寂しげな色の空の下、吹きすさぶ生ぬるい風の音だけが屋上に響いている。

 

 

 

 

 

沈黙を破ったのは、ライトだった。

 

 

 

 

「なあ、カラーって奴わかるだろ?うちのクラスの。」

「…は?」

 

こいつは何を言い出すんだと言わんばかりの顔でライトをみつめるリク。

 

「あいつって、前回の中間は、なんか…ネストの暗示だかなんだかですげえ成績よかったけど、本当は元素記号も諺もまともにわからねえ、とんでもない馬鹿なんだよ。」

「…知ってる。会話のレベルも低レベルだ。すぐに頭の悪い人間だと理解した。」

「ああ。お前の嫌いな、『頭の悪い人間』だよ。」

「…何が言いたい?」

 

ライトの言いたいことがわからず、怪訝そうな顔をする。

ライトは、困ったような笑顔を浮かべ、口を開いた。

 

「俺がさっき、試合中のお前のことが気がかりだって話をしたら、その頭の悪い人間は、『リクたんはあんまり表情かわらないけど、対人関係でなにかつらい思いをしたことがあるのかもしれない』って言ったんだよ。」

 

 

 「……え…?」

 

 

 

リクは一瞬何を言われているのか理解できず、硬直する。

 

「だからよ、俺が言いたいのは、頭が悪かろうが何だろうが、お前を軽蔑したりしないで心配してくれるやつは、ちゃんといるってことだよ。」

 「……」

「…俺だって、カラーほどじゃねえけどれっきとした馬鹿だよ。…でも、お前の事別に気味悪いとか、根暗なんて思わねえよ。」

「ひ…人は、嘘がつけんだよ!そんなこと言われたって、簡単に信じられるわけえねえだろ!」

「…お前が信じたくねえならそれはそれでいいよ。ただの俺の独り言だと思って受け止めてくれ。」

「…なんで…」

「なんでって、俺はお前じゃないんだからお前が何を思うかなんてわからねえよ。お前みたいに読心術も使えねえし。」

 

ふうとため息をつき、頭を掻くと、ライトは歩き出した。

そして入り口付近まで来ると、しゃがみこんでいたリクを丁寧に抱えて立たせた。

 

「…俺が気になったのは、試合中、強気なお前がなんであんな顔したかだ。とりあえず理由がわかってよかったよ。…邪魔したな。」

 

そう言って帰ろうと扉を開けた。

しかし、リクがライトを遮った。

 

「…まってくれ…。」

 

そう言ってうつむいたまま、ゆっくりとヘッドフォンをはずした。

 

 

「…お前…さっき、俺の事気味悪がらないって…根暗だって思わないって言ったよな。」

「ああ。言った。…嘘だと思ってんだろうが、残念ながら嘘じゃない。」

 

 

 

「…信じて…いいのか?」 

 

リクは、ぽつりと呟いた。

 

ライトは一瞬呆気にとられたが、すぐにくすりと笑った。

 

「そりゃー、信じてくれんだったら、そうしてくれよ。」

 

そういうと、リクは泣き笑いの様な顔をあげた。

 

「…ああ、そうするよ。」

 

 

 

相変わらず高所故強い風が吹いてたが、2人にはもう、気にならなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ありがとな…下総。」

「…お前、ほんとに柴葉だよな?試合の時と全然違う。こええ。」

「それをお前が言うか?…あ、そうだ」

「ん?なんだよ」

「…試合の時、色々言って…その、あれだ。…悪かった。」

「それもお互い様だなw」

「そうだな…はは」

 

 

2人がそんな話をしながら教室に戻ると、3人の見慣れた人影があった。

 

「あ、ライトと柴葉君、お帰りなさい~」

「おお!お帰りだにょー!待ってたにょー」

「その様子だと、うまく話し合いがまとまったみたいやね」

「なっ…!なんでお前らまだいるんだよ!」

「ふん!ミルとカラーが待つっていうから、流れで待っとっただけや!勘違いすな!!」

「でたなツンデレゴフッ」

「やかましい。ほな、帰るで!」

「ほーい!!」

「柴葉くん、帰ろう?」

「あ、ああ」

「ネストてめえ…おぼえてろよ!」

 

廊下でがやがやと5人が歩いていると、向こうから見慣れた4人がやってきた。

 

「おー!カラーたちじゃーん!テストおつー!」

「うえーいレオたーん!」

「私たちも終わって、今帰るとこー!ねね、一緒に寄り道して帰ろー!」

「きいてきいて、テストの時のトウイ、すごいかっこよかったんだよ!」

「ええ~みたかったなあ…」

「神威…残念がるほどのものじゃないぞ。ヒミとミヨも、過大評価しすぎだ。」

「おうおう、いつも通り絶好調だったんかいな。」

 

 

賑やかな人々にかこまれ、ライトとリクは顔を見合わせ、少し笑った。

 

 

こういうのも、結構いいものだ。と…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続く!✿

 

 

 

↓あとがき

 

 

 

 

 

 

はい!これにてFLOWER!第1章、「琴瑟調和」終了でーす!

いや意図したわけじゃないのですが、なんと20話ぴったりで終わりました。

奇跡ですw

 

さて、第2章 ですが、期末試験を終えたライトたちは、夏休みに入ります。

一体どんな(騒がしい)夏休みになるのやら…。

 

お楽しみに!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「プロローグ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何重もの頑丈な包装が施されたような毎日。

 

 

 

安全で、安心で、酷く退屈な毎日。

 

 

 

だが、そんな毎日に、一輪の花が咲いた。

 

 

 

『初めまして。今日から宜しくお願い致します、坊ちゃん。』

 

 

 

 

幼かった僕の目に映った彼女。

 

 

 

 

「許されない」とわかった今でも、僕は好きでいることをやめられない。

 

 

 

 

 

夏の暑さは、心を乱す。

 

 

 

 

 

心だけでなく、ルールも、常識も、何もかも乱れてしまえばいいのに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…なんて。

 

 

 

 

 

 

 

 

【FLOWER! 第二章 「劫の夏、泡沫の恋」】