ハナニラ ～the language of flowers～
カノさん死ネタです。
ある日、花屋で花を見つけた。
外側が薄紫で内側が白い、小さくて可愛い花だった。
札には、『ハナニラ』とかいてあった。
店員さんに、「この花の花言葉は何ですか？」って聞いたら…
「この花の花言葉は、『〇〇〇〇〇』ですよ」
っていわれたんだ…
「ははっ…」
今の僕ぴったり。
僕は疑われて、アジトから追い出されたんだ…。
「サイテーだな」「なんでこんなことするんすか！」「酷いよカノ！」「見損ないました」『まさかそんな人だったなんて…』「…許されない大罪だぞ…」「なに考えてるの？」「カノ…出てって…」
『嘘つき』
「くくく…あっはっは！！笑っちゃうね！どうして信じてくれないのかなあ！？あ、そっか！僕が『嘘つき』だからか！あはは！はは…そうだよね…」
僕は 嘘つき
嘘つき
嘘つき
嘘つき
嘘つき
嘘つき
嘘つき
嘘つき
嘘つき
嘘つき
「呆れちゃうような、嘘つきの僕なんて…もう救えない？」
救えないよね…？
だったら…
「消えちゃおうか…」
…屋上からおちたら…アヤ姉と同じところにいけるかな…？
トン トン トン トン トン…
ガチャ…
コツン…コツン…コツン…
ガシャン…
アヤ姉…待ってて…
もうすぐそっちにいくから…
僕は、持っていたハナニラを足元にそっと置いた
…階段を数人が駆け上がる音が聞こえる…
ドアが勢いよく開き…見慣れたみんなが走ってきた。
ああ…誤解が解けたんだね…
よかった…いなくなる前に皆が僕を少しでも理解してくれて…
フードからあふれる翡翠
黄色いヘアピン
白くふわふわの髪
ピンクのパーカー
青いツインテール
赤いジャージ
水色のＴシャツ
黒いチョーカー
ああ…まぎれもない僕の仲間…
みんな…
そんなに泣かないでよ…
そんなに叫ばないでよ…
逝けなくなっちゃうよ…
紫のパーカーを纏った団長が…僕に手を伸ばしてきた…
ああ、お別れだ…
「さよなら」
僕の足はコンクリートを離れ、宙に浮いていた
「ハナニラ…」
そう呟き、目を閉じた。
閉ざされた瞳から
一筋の涙が流れ
空に
消えた
花言葉：悲しい別れ
END
