FLOWER! 第10話 ~練習授業~
ボカロ「脳漿炸裂ガール」を、ヴァイオリンで演奏してみた - YouTube
こんにちわー!
さてさて期末試験が迫ってまいりました!
なのに勉強してません。どうしようかな。今更勉強してもねえ…
コイル「へー…そんなこといっていいのかしらね」
いいんです(キリッ
コイル「あんたが勉強しないでいい点とるなんて、世界が裏返ってもありえないわ。」
…その通りですごめんなさい。
さっさと始めます…はい。
で、では本編ドウゾ!!
「FLOWER! 第10話 ~練習授業~」
「今日から高校での『練習授業』が始まります~みなさん、怪我のないようにしっかりと頑張ってくださいね~」
ライトたちの担任の「花咲 麗麻(カザキ レマ)」が長い髪を揺らしながらのんびりとした口調で言う。
『練習授業』
それは、ライトたちの学校では聞きなれた言葉。
練習授業とは、本々ひとりひとりに備わっている「花を咲かせる力」を強化させる授業の事。
その中でも最も優れた成績を修めた4人は「花術四天王(フォアフラット)」として学校から認められ、学校の代表生徒として記念碑に名前が刻まれていく。
今日はその練習授業のある一日目。
「練習授業はおもに自由に動いてもらっていいのよ~。わからないことがあったら先生か花紅中出身の子たちに訊いてね~。それじゃあ、第2体育館に各自集まってください。かいさ~ん。」
相変わらず緩い担任だな…とライトはつくづく思う。
まぁ、楽だからいいけど。
「ライたーん!ミルたーん!ネスたーん!行こー行こー!!」
カラーがハイテンションで駆け寄ってくる。
しかしそんなカラーを見てため息をつくライト。
「…朝からテンションたけーよ…高血圧だなKUSOGA」
「なんでローマ字」
「どううでもええわ。さっさといくで。うちの担任は怒ると恐ろしゅうなるからな。」
「え、カザキ先生あんなに優しいのに!?」
「人には裏があるもんなんだな…」
「え、ちょ、ねえねえ、俺っちのあつk」
__第2体育館__
「はい、それじゃあ授業を始めます~。さっきもいったように、基本的に授業内では自由行動でおーけーだけれど…今回は初の練習授業ということで、わからない人のために説明をしますね~」
【練習授業ルール】
・基本的に自由行動
・真剣に取り組む
・対戦したいときは担任に申し出て「対戦ルーム」で行う
・危険な行為はしない
「このルールは絶対にまもってくださいね~。もし破ったら…うふ、それは内緒ですよ❤」
可愛く言っているが、謎の威圧感があり、生徒たちは凍りついていた。
そこでカザキが思い出したように、「あ、そうそう」と手を打った。
「今回は初の練習授業なので、一人にお手本を見せてもらいたいと思います~えーっと…じゃあ、中学校の時、花術四天王だった…カラー君!おねがいするわ~」
「了解にょー☆」
「えええええええええ!!!???カラーが四天王の一人いいいいいいいいいいいい!!!???」
「うそすごーい!!そうだんたんだ!」
「まじかよ…あんな軽いのが…!?」
「ありえなーい!!人はみかけによらないね」
「こえー…」
「…ねえ、俺っちそろそろ泣いていい?」
カザキが慰め、なんとか立ち直ったカラー。
というわけでカラーの力を披露。
「センセ、本気は…だしちゃだめかにょ?」
「うーん…そうねえ。一番得意な技はださないようにしてね~」
「オッケーにょ!んじゃあ…
『電回電弧・回花(エレクトリィアーク・ve,rターン)』
カラーがそう言い、構えた瞬間、カラーの手から稲妻が走った。
その稲妻は次第に大きくなり、枝分かれした電流の先々で電気の花の蕾が現れる。
「そんじゃー、いっくにょ~!
『開花』!!!!!」
バリバリッ…バチバチバチ!!!
バーーーーーーーーーーーン!!!パリッ…
花が開くと、花からさらに凄まじい光と音が放たれ、あたり一面がに電流の海となった。
そこでカザキがとめに入る。
「カラー君、ストップ~。」
「ほいほーい!」
カラーが笑顔で返事をし、『終』の合図を掛けると、途端に電流は消え去った。
カザキがぱちぱちと拍手をする。
「カラー君おつかれさま~。どうも有難う~」
「えへへ、どういたしましてにょ!」
しかし、ギャラリーのほうはそれどころではない。
今起きた出来事が信じられず、ただ呆然とカラーを見つめている。
沈黙に不安を覚えたカラーが首をかしげる。
「な…なんか俺っち悪いことしたかにょ…?」
すると、爆発したように賛美の声があふれた。
「すっげーーーーーーー!!なにその技!!」
「何者なのカラーって!!」
「つえーーーーー!!さっすが四天王!!」
ワッとギャラリーがカラーを取り囲んだ。
カラーはもみくちゃにされながら照れまくっている。
ライトは眉間にものすごい数のしわを寄せぶーたれていた。
しかしライトは無自覚で、爆笑したネストに「すっげーおもろい顔しとるでww」といわれるまで気付かなかった。
_練習開始_
「ネスたん!!対戦ルーム行こうにょ!!今日は俺っちが勝つにょ~!!」
「調子にのるなよアホニャンコ!今回もうちが負かしたるわ!」
そういって二人は体育館の外へ走っていった。
二人の他にも、中等部からの持ち上がり組は和気藹々と対戦ルームへと向かって行ってしまい、高等部からの入学生はポッーンと残されてしまった。
「えーっと…それじゃあとりあえず、練習しよっかライト!」
「そうだな…」
ミルとライトも練習を始めることにした。
しかし、今まで花を咲かすことについての勉強はしてきて、知識もそれなりに備わっているが、実践は初めて。
当然、美しく花を咲かせることはできない。
「う~~…えい!」
もそっ…
「はっ…!!」
しゅわっ…
出てくるのは、生気を感じられない小さな蔓や花弁ばかり。
しかも、でてきて5秒くらいで消え去ってしまった。
「あ~~~畜生!!なんでカラーみたいにでねえんだよ!!」
「むずかしいね…どうやったらあんなふうになるのかなあ…」
「やっぱ練習するしかねえな」
「そうね!」
もう一度やろうと構えた所で、カザキが近づいてきた。
「ライトくん、ミルちゃん、ちょっとアドバイスいいかしら~?」
「あ、はい!ぜひ!!」
「花をさかせるにはねえ…一つだけポイントがあるの。」
「な、なんですか…?」
「それはね…『自分はどんな花を咲かせたいか』ってこと。」
「自分が…咲かせたい花…」
「そうよ~。だから、他人のものを参考にしなくてもいいの~。自分だったら、こんなのがあうんじゃないかなーってイメージして力を込めるといいわよ~」
ライトとミルは顔を見合わせしばらく考えてみた。
すこしたって、ミルが構える。
「私は…人を安らかな気持ちにさせる事が出来て…ふわふわしてる、かわいい花を咲かせたい…!!!」
するとミルの手が輝き始めた。
「う~~・・・えい!!!」
ふわああああっ…!!!
途端にミルの手から沢山の桃色の花弁があふれ出した。
それは微小ではあるが、輝きを放っており、美しい光景だった。
「…すげー…」
思わず言葉を無くすライト。
綺麗_…
純粋に、そう思った。
花弁はひとしきり舞った後、床にひらひらと落ち、輝きながら消えていった。
ミルは、自分の手をみつめ、ふるふると震えると、笑顔になった。
「やったーーーーーーー!!ちょっとだけど、咲いた!咲いたよ~!!」
そう叫んでライトに飛びつく。
「ぐふぅ!?」
あまりにミルが勢いよく飛びついたせいで、ライトが後ろに思いっきり倒れた。
「あ、ごめんライト!嬉しくって…つい。えへ///」
「ったく…喜ぶのはわかるけどよ…加減を覚えろ、加減を。」
「ごめんってば~」
カザキや周りで練習していた生徒がパチパチと拍手をする。
「すごいわ~はじめてでこんなにできるなんて~」
「ミルちゃんすごーい!」
「かわいかったよ~」
「神威さんかわいいよな…」
「あ、お前も思った…?」
「下総うらやましい…」
(※最後の3言はライトにしかきこえませんでした)
「じゃあ、次はライト君もやってみて~」
「あ…はい。」
カザキに促され、引け腰になりつつも構えるライト。
目を瞑って考える。
「(イメージ…自分が咲かせたい花を…)」
目を開けて、しっかりと呟く。
「相手に…かなわなくとも、鋭く、力強く生きる…そんな花を咲かせたい!!!!」
ミルの時と同様に、手が微かに輝る。
「…___っはああ!!」
しゅるるるるるっ…!!!!
ライトの手からは、蕾がついた何本もの蔓が、四方八方に伸びていった。
蔓は生き生きとしておりするすると、あっという間に天井まで届いてしまった。
「(蕾…開け!!!)」
そう念じるが蕾は開かず、しばらくたつと、蔓はライトの手の中に消えていった。
「…あれ…?花が…咲かない…なんでだ…?」
蔓が出たことは嬉しいが、蕾が開かなかったことにたいする疑問の方が大きかった。
カザキは、うーん…と考えてから顔をあげた。
「考えられる可能性は…二つねえ。」
「二つ…?」
「まず、一つ目は、まだ力不足ってこと。」
「あ…」
「まあ最初だもの~。でも、もうひとつ考えられる…。」
「なんですか…?」
「それは…
『蕾』が君の能力ってこと。」
「…『蕾』…が?」
「そうよ~」
「俺の…能力…か。」
ライトは嬉しそうに顔を綻ばせる。
「まあ、どっちにしろ練習はしないとね!」
ミルがにこりと笑いかける。
「そうだな…やるか!」
ライトも頷く。
カザキが嬉しそうににこにことする
「やる気のある子たちが多くて嬉しいわ~その調子で頑張ってね~。あと1カ月しかないけれど~」
え?
「い…1カ月?どうして…」
ライトとミルの顔が青ざめる
「あら…?訊いてないかしら~…?期末まであと1カ月なのだけれど…」
つまり…
能力を、あと1カ月で完璧にしなくてはいけないのだった。
「ま…まじかよおおおおおおおおおお!!!???」
続く!✿