心も世界も全て壊れて
夕闇が広がり、僕の影法師を徐々に溶かしていく。
代わりに、知りたくもなかった、内に秘めたどす黒い感情が、前頭葉の隙間からたえまなくあふれ出てくる。
網膜に絡みつくのは、先程見た光景のエンドレスループ。
理性は「やめろ」と命令するが、脳が言う事を聞かない。
最後に映ったのは君の絶望した顔。
最後に聞こえたのは君の泣いた声。
やめろ、やめてくれ。
いくら頼んでも、まるで嘲笑うかのようにループはとまらない。
気が狂いそうだった。これまでこんなに苦しかったことがあっただろうか…?
「……っあ”ぁ…う」
何故か口が勝手に開閉するが、舌が回らず、陳腐な呻き声しか漏れ出てこなかった。
思考回路が滅茶苦茶に絡まり、まともに物事を考えられない。
その間にどす黒い感情はみるみるうちにあふれ出て、制御することは不可能に近かった。
嫌だ 怖い 苦しい
その3つの感情がぐるぐると巡り、頭痛や眩暈を引き起こす。
そして、感情的な雫が目から、「君」という大切『だった』存在と共に零れ、地面に滴り落ちた。
その瞬間、最後の理性がブツリと音を立てて引きちぎれた。
途端に、恐ろしい程清々しい虚無感にとりつかれ、口元に歪な三日月が形成される。
「くくっ…」
喉に引っかかる、低い笑い声が鳴る。
自分自身で自分自身の認識が出来なくなり、ふらふらと覚束無い足取りで歩きだした。
もういい。こんな世界、すべて壊してしまおう。
どす黒い感情は、いつの間にか全身をつつみこんでいた。
暇つぶし程度に書きました。
えーと。解説です↓
アヤノ姉ちゃんを失った直後のカノ君の心情ですね。
小説ではシンタローと会っていましたが、もし会わなかったらー…こうなってたんじゃないかな。という想像ですね。
まあ妄想の産物です。はい。
短いですが、こちら全文授業中にカリカリ書いてたお話なので←
甘く見てやってください。
最近、文章も絵もカノ君ばっかりだな…
たまには別の人のお話も書こうと思います。
それでは今日はこの辺で。
さようなら~