FLOWER! 第12話 ~分裂?~
【Hatsune Miku】 Tsukimiyo Rabbit - YouTube
今回は構成上の都合でちょっと短いです。
「FLOWER! 第12話 ~分裂?~」
「まあ…ミルはこれだけできるんやったら試験も大丈夫やろ。ただ…問題はライトやな…。」
能力強化修行をして約2週間。
ミルは凄まじい勢いで技を習得していき、この調子でいけば残りの短い期間でも十分に試験で力を発揮できそうだった。
しかし一方のライトは…
バッチイイイイッ!!!!!
「きゃあああ!!」
「うわあああああ」
「畜生、またダメか!!!」
まだ一度も『花』を作ることに成功していなかった。
くっつくけようとするたび、蕾同士が拒絶し跳ね返る。
この2週間ずっとそれだった。
単純なカラーやまだ詳しくないミルにとってはたんなる失敗に感じるが、ネストはうすうすなにかを感じ取っているようだった。
「(いくら初心者とはいえ…もう2週間もぶっ続けでやっとるんやで…?そろそろ『花』ができてもおかしないやろ。現にミルはとっくに成功しとる。ミルと同じ時に蔓がでるようになったんやったら…才能がないっちゅーことはあらへん。むしろかなり才能あるほうや。…せやったら…なんでできないんやろ…)」
修行を重ねるたびにネストの疑問は膨らんでいく。
だがそんな思考を巡らせているとはつゆ知らず、若干八つ当たり気味にライトが詰め寄る。
「おい!!なんでこんなにやってんのにできねえんだよ!!お…お前等の教え方がわるいんじゃねえのか!?」
いきなりのことで一瞬ネストはきょとんとするが、すぐに眉を吊り上げて怒鳴る。
「はあ!?なにいっとるんや!!うちらは十分必死に教えとるやないか!!」
「まあまあネスたん落ち着いて…」
カラーがおさめようとするが、ネストはとまらない。
「落ち着けるかこんのドアホ!!だいたい教えてくれ言うたのはお前やろ!!なんでそないな口きかれなきゃあかんねん!!お前に才能ないだけやないのか!?」
「そうよライト!あんたができないからってネストちゃんとカラー君のせいにしないでよ!」
ミルも参戦すると、今度はライトはミルに冷めた目を向ける。
「いーよな出来る奴はそーやって余裕あって!!なんだよそいつらの味方しやがって腹立つな!!できねー俺だけ仲間はずれかよ」
「なっ…そんなこと言ってないでしょう!?ライトのそういうすぐ人のせいにする癖直した方がいいと思う!!」
「お前に俺のなにがわかんだよ!!」
「13年前から今のライトのことまではしってますけど!?幼馴染なめないでちょうだい!!」
「うぐっ…」
「ぶふっ…ライたんwwあ、ごめんw」
「笑ってんじゃねえ!!くっそ…もういいよなにも教えなくて!!なんの役にもたたねえから!!」
その一言で、ついにネストの堪忍袋の緒が切れた。
「…なんやとおおお!?テメー調子のんのもええかげんにせえよこんの…あほやろおおおおおおおお!!!」
バッキイイ!!!!!!
ドターンッ!!!
「ぐほぁあ!!」
「きゃあああああ!!」
ぶち切れたネストがライトの顔面を思い切りぶん殴り、ふっ飛ばしてしまった。
びっくりして目を瞑り悲鳴をあげるミル。
カラーが慌ててネストを取り押さえる。
「ちょちょちょ、ネスたんストップストップ!!それ以上はだめだにょ!!」
「うるさいわアホが!!はなせこのっ…!!」
「柔道黒帯、空手六段のネスたんがあんな貧弱なライたんとっちめたらライたん死んじゃうにょ!!」
「(ちょっと待てなにそれきいてねえ!!)」←ライト
「ええわ。殺したる。」
「ネスたんんんんんん!!??」
ネストはもう眼に光が宿っておらず、ライトをぶちのめすことしか頭になかった…
ライトは頬をおさえながらよろよろと立ちあがる。
いくら女子とはいえ、上記通りのためネストのパンチは強烈。
実質ライトは殴られた後、そのはずみで床に打ちつけられ、挙句、軽くバウンドして壁にぶつかった。
ここまでやられると、抵抗するにも勇気がいるため、おとなしく退散することにした。
「んだよいってえな…。もういいよ…へーへー、俺が悪かったよ…」
「おいまてクソガキまだ殴り足りん。」
「これ以上殴られたら俺の身体がもたねえっての!!ったく、加減のきかねえ馬鹿力女…」
「ああん!?」
「なんでもねえよ!!とにかく、もういいよ何も教えなくて!!試験は諦めるから!!だからもう俺に話しかけんな!!!」
そう言って走り出したライト。
「ら、ライたん!まってよーーー!!」
カラーは追いかけようとするが、「追いかけんでええ!!」とネストに一喝され、納得のいかない顔で踏みとどまった。
「ど…どうなっちゃうの…?」
続く…✿