Welcome to the garden of the story

どうぞゆっくりしていってください

あぁもう本当鬱陶しいなぁ

カゲロウデイズⅤのネタばれ含みますので閲覧注意です。

 

 

「アヤノ」

 

 

 

…またあいつだ。

 

僕が一番会いたくない奴。

 

 

 

 

 

「おい、アヤノ!きいてんのか?」

 

 

 

 

五月蠅いな聞こえてるよ。

 

 

 

 

…あぁもう、本当に…

 

 

 

 

「鬱陶しいなぁ…」

 

 

 

 

ぼそりと呟いてしまった。

 

これはまずい。

 

 

しかしあいつには聞こえていなかったようで、「あ?なにかいったか?」といった。

 

よかった。危うく姉ちゃんの印象を悪くするところだった。

 

姉ちゃんに欺いた僕は気持ち悪い程完璧な笑みで、あいつ…如月伸太郎に話しかける。

 

 

「ううん、何も言ってないよ!それよりどうしたのシンタロー。」

 

 

すると如月伸太郎は少し顔を紅くしてそっぽを向いた。

 

 

なんだよ気持ち悪いな…

 

 

そして、躊躇ってから言った。

 

 

「い…一緒に帰ろうぜ。ほ、ほら、最近不審者増えてるみたいだし…」

 

 

 

 

 

…やっぱりね。

 

 

大方予想はついていた。

 

まぁ、いつも不自然にならないようにこいつと下校してはいたけれど…

まさかこいつから誘われるとは。

 

 

 

 

ふざけるなよ。

なにが不審者が増えてるからだ。ただお前は姉ちゃんと帰りたいだけだろ。下心丸見えなんだよ。

不審者に出くわしたとして、姉ちゃんの事どうせ助けられないんだろ、偽善者め。

 

 

…と、そんなことを思いながらも僕の口は勝手に、

 

「勿論いいよ!えへ、シンタローから誘ってくれるなんて嬉しいな。」

 

なーんてセリフを吐いてくれる。

 

 

…別に、姉ちゃんは不審者から救ってほしいわけじゃないのに。

 

 

この、眩暈のしそうな、壊れていく日常から、皆を救ってほしいんだ。

 

そんなことも知らずに姉ちゃんに近づきやがって…

 

 

 

気に入らない。

 

 

 

 

 

 

無愛想を気取っているその表情も…

 

度々向けてくるその視線も…

 

気だるい雰囲気のするその声も…

 

 

 

 

 

 

如月伸太郎……お前の全てが…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕は、大っ嫌いだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

END ↓

 

 

 

ギガ様の素晴らしい楽曲、「Masked Bitch」の歌詞の抜粋や言葉の流れを借用させていただきました。

 

 

ちなみに、もうわかると思いますが、この話はアヤノちゃんに欺いたカノ目線のお話です。

 

 

閲覧有難うございました。